メトロ写真教室

第59回メトロ写真教室 丸の内・東京駅周辺

2026年5月30日 (土) 第59回メトロ写真教室を開催いたしました。
午前中はプロの写真家による講義を行い午後は撮影地の丸の内・東京駅周辺にて撮影会を行いました。
ご参加いただきました皆様が撮影された作品に写真家 中谷氏の講評を添えて掲載いたします。

総評 写真家 中谷 吉隆氏

第59回メトロ写真教室は、午前中は座学の講義として、参加者の皆さんから事前に提出された作品の講評を行い、その後、写真の基礎的のあれこれを私の作品を投影して行いました。
午後からの撮影実習では、大手町から丸の内、東京駅と日本のビジネス街の中心地を巡り、安全・安心に注意を払い行われました。大手町の超高層ビルが立ち並ぶエリアに、立派な樹木が生い茂り、その名も「大手町の森」と名付けられていて、無味乾燥なコンクリートジャングルに癒しの空間がありました。
丸の内の仲通りの並木道はストリートギャラリーとなっていて、国内外のアーティストの多数の作品が設置され、有名ブティックのショーウインドーとのコントラストが醸し出されていました。昭和初期に造られたビルの中には重要文化材として保存されていたり、外壁を残しその奥に新しいビルを建造していて、新旧の対比が見事な光景を作り出していました。こういった雰囲気を味わいながら、さまざまな角度から思い思いにカメラを向け撮影して、今回の写真教室を無事に終了しました。
参加者から提出された作品はバラエティーに富んでいて、また、タイトルの付け方にも工夫が凝らされ、想いが込められていました。その中から一人一点を選び、講評を付けて発表します。

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「都会のキリン」

青島忠

審査員の個評

大手町、丸の内界隈の大正から昭和初期の建造物も老朽化や時代に即しないことから、建て替えが行われています。ビルの谷間で見かけた、伸び縮みする工事用のクレーンをキリンと見立てていて、楽しんでいる作者です。

「灯り」

上野優

審査員の個評

ビルの谷間で客を待つ人力車。観光地では当たり前の情景ですが、ここでは何かミステリアスさもある不思議な空間です。もしかして人力車はこの地が開発される遠い昔から置かれているのではと、作者は想像したようです。

「深淵もまたこちらを覗いている」

江川将

審査員の個評

建物の出入り口の防犯カメラ。この存在は犯罪捜査などには大いに役立っています。しかし、何も世の中に反していないのに、観られているかと思うといい気分ではありません。カメラを向けた姿がキャッチされています。

「東京大怪獣」

N.E

審査員の個評

丸の内の一角が再開発のビル工事に入っていました。作動するクレーンはあちらを向き、こちらを向くと忙しい。その光景を「怪獣」が暴れていると見ています。もしかすると目前のビル群をつぶしてしまう? SF的で愉快です。

「超高層」

大久保匡祐

審査員の個評

戦前は、皇居に面したエリアでの建築の高さ制限はせいぜい九階建てまで。その制限が取れ超高層化し、今日の建築様式では窓が総ガラスとなり鏡化して、隣接のビルや光景が写り込み、このような新風景が誕生したのです。

「見上げる美」

Kae

審査員の個評

明治生命館は昭和初期に建造された古典主義様式の建物。外面を飾るコリント列柱が目を引き重厚感を与えています。彫刻に味わいのある窓をどっしりと据え、列柱が左右対称になる構図は見応えのある画面となりました。

「初夏、ガラスの向こう」

小野 真理子

審査員の個評

丸の内一帯には、多くの有名なブランドを扱う商店が並んでいます。このショーウインドーは夏をモチーフとした演出がなされています。配された緑が目に飛び込んできて、この情景に作者は初夏を覚えているようです。

「街の中の森を昇る」

金子一光

審査員の個評

メトロの改札からビル内の地下道を進み、地上への出入り口に来ると豊かな緑が目に飛び込んできます。「大手町の森」というエリアで、エスカレーターは覆いかぶさる樹木の中を進みます。その臨場感をきっちりと捉えました。

「陽だまり」

北島久恵

審査員の個評

昭和30年代には、ほんの少しの街路樹しかなく、まったく人間が働く環境を無視したビジネス街で、私の写真にそんな状態が多く残っています。現代は働く場としての環境が整い憩いの場もでき、しっかりと見届けた一枚です。

「おねむ」

小崎陽一

審査員の個評

仲通りのアート作品で色彩のある作品は少なく、これは珍しく色を持っています。その全体像から一番下の部分をフレーミングしていて印象性はあります。しかし、タイトルはそのままのようなので一工夫したいものです。

「新旧ビル」

白濱竜平

審査員の個評

この画面には三世代の建物があり興味津々です。手前に最も古い時代、その奥が二世代目、左が近年のもので窓が総ガラス張りです。建築技術のあり方、時代に即したビルディングが見参でき、変化を知ることのできる一枚です。

「きってもきれない過去と未来」

田崎 祐一

審査員の個評

旧東京中央郵便局の建物が保存され、今は「KITTE(キッテ)」となり、隣接して超高層の「JPタワー」ビルが建設されています。その光景をタイトルにしての一枚で、やや駄洒落的ですがユーモアを思わせもして楽しい作です。

「都会のオアシス」

藤本 久美子

審査員の個評

ビル群が立ち並び、まさにコンクリートジャングルで人間味に欠けるところです。そういったエリアでも注意力を発揮して観察してみると新しい発見があります。この光景もその一つで、見事な捉え方がされてアートフルな作品です。

「過去」

藤本 賢

審査員の個評

ビルの谷間で客を待つ人力車。観光地では当たり前の情景ですが、ここでは何かミステリアスさもある不思議な空間です。もしかして人力車はこの地が開発される遠い昔から置かれているのではと、作者は想像したようです。

「mirror girl」

古舘篤

審査員の個評

丸の内仲通りにはいくつかのアート作品が設置されています。木漏れ日を浴びた彫刻は輝きを増していて、暗い背景から浮き立つポジションからの撮影は効果的です。やや後ピン(ピントが後ろにある)なのが残念です。

「丸の内レトロさんぽ」

本多 真理子

審査員の個評

丸の内一帯は旧三菱財閥の牙城。三菱一号館の裏手に、緑豊かな中に噴水がありベンチが設置された憩いの場があり驚きます。レンガ造りの古い建物と懐かしいガス灯の街頭とに目を止めていて、レトロに浸っています。

「Souvenirs de Tokyo(東京の想いで)」

間中 康人

審査員の個評

東京駅の南口側にある昭和時代建造の旧東京中央郵便局。今日は「KITTE(キッテ)」となっていて、その局長室が当時のまま保存されていています。デスクと窓からの東京駅のショットに、「東京の想いで」を感じています。

「東京駅」

矢野 岳

審査員の個評

夕暮れ時のライトアップされた東京駅。この時間帯でもその輝きはあります。しかし、空が少し明るいようで、もう少し暗くなるころですと、輝きがより強調されます。こういった撮影では時間の選択が大切になるのです。

「スイーツ」

吉岡 洋

審査員の個評

アート作品の一つですが、この球体をまじえた色調のある画面の切り取り方に工夫があり、なにかのスイーツと見てとっていて発想の面白さがあります。アングル、構図のあり方で自分の感覚を絵にすることができるのです。

「巨大な町」

脇 和広

審査員の個評

仲通りで見かけたアート作品。なにやら人体を模した感じもするのですが、後方のオープンカフェとのコントラストが見事で写真に勢いがあります。いまにもこの彫刻が、のっしのっしと歩きだすのではと思えてきます。

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